ナミダ色片想い
言えない気持ち
「千夏。」
晴矢の部屋を飛び出した次の日。
学校は休みだったから彼の顔を見なくてすむ。
安心した。
こんなことはじめてだった。
どんなときでも晴矢の顔を見るだけで元気になれる。
わたしにとって彼はそんな存在。
あわてて飛び出して来たから荷物は全部彼の部屋。
晴矢、まだ寝てるかな?
治ったかな?
気になるけどそれ以上に彼を見ると自分が苦しくなる。
思いを伝えれば今の関係がなくなってしまう。
それは、いや。
どんな形でも、彼のそばで笑っていたい。