ナミダ色片想い
その声は、聞き覚えのある声。
間違えるはずがない。
ずっと思い続けてる人の声なんだから。
「覚えてたんだ。」
静かに美沙の部屋のドアが締まった。
晴矢はわたしのとなりにたって美沙を見下ろしてた。
「あぁ。」
「美沙、きっと喜んでるよ…。」
「だといいけど。」
鼻で笑った彼はわたしのとなりに座り込んだ。
彼は、あまりにも苦しそうな顔をしてた。
苦しくて、助けてほしいって、言ってるように思えた。
「千夏…」