ナミダ色片想い
第4章 未来
一番星
「美沙?」
わたしの問いかけに首をかしげる彼女。
最近はほほえみ返してくれるほどになった。
そのたび嬉しくて、ついわたしも微笑んでしまう。
「おい、ニヤけてるぞ。」
「そ、そんなこと…」
彼はいつだって意地悪だ。
美沙が意識を取り戻してからもう半年が過ぎた。
三年間も眠っていたんだからさすがに元通りの美沙ではない。
でも特に目立った後遺症はなくて担当医も驚いてるくらい。
わたしたちの失った希望は、再びよみがえった。