ナミダ色片想い
「晴矢、好きだよ。」
「ははっ。毎日のように告白ありがと。」
美沙の乗った車イスを押してやってきた屋上。
彼はわたしのとなりで歩いている。
「好きだよ。」
日の落ちたくらい空。
そこに一番星が光る。
「好き…好きだよ。」
優しく風が吹く。
「好き、だった、よ。」
彼の視線を感じた。
いい間違いじゃない。
確かに、過去にした。
“晴矢のことが心から、大好きでした”
もう一度、わたしたちの間に風が吹く。
一番星が、輝く。