ナミダ色片想い
「晴矢のバカ。」
彼が鼻で笑ったことにちょっとムカついて放った言葉。
「は?なんで俺がバカ呼ばわりされなきゃいけねーんだよ?」
ベッドから上半身を起こした彼。
「だって晴矢、バカだもん。」
「少なくとも千夏よりバカじゃねーよ。」
確かに、そうかもしれない。
でもね、そうじゃないの。
わたしが言いたいのは
“わたしの気持ちに気づけ”ってこと。
こんなに大好きなのに
気づいてくれない、バカ晴矢。
「いじけんなって。」
小さな笑みを浮かべて頭を撫でられる。
そんなことされたら、全部許しちゃうじゃん…。