ふくらはぎの女(ひと)【完】
あの時の事。
何かの拍子に思い出しては
私は母をからかい
二人でよく笑った。
私のために泣いてくれた母。
子供みたいに「殴ってくる!」
なんて無茶を言った母。
そして何よりも最後の言葉だ。
「お母さんの可愛い娘子ちゃんが」
・・・だって。
「お母さん、私のこと
一体どれほどいい子だなんて思ってるの?」
盲目的な母の発言。からかいついでに聞いた時
母は笑いながらぽつりと答えた。
「娘子ちゃんはお母さんの天使だもの」
照れ笑い、その反面、自信たっぷりに。