ふくらはぎの女(ひと)【完】
(7)
邦男は病院に
ついて行くと
言ってくれたのだが、
私は一人で行く事にした。
特に意味はないけれど、
なんとなく、一人で
確かめに行きたかった。
例えば邦男が
「一緒に行きたくない」
と言ったら
「絶対ついてきてほしい」
と
思ったのかもしれないけれど。
そこら辺は
いわゆる女心として、
理解してほしい。
「なんだよそれ」
ぶうぶう言いつつも邦男は
「じゃあ、
病院の近くの本屋で
時間つぶしてるよ」
妥協してくれた。
・・・産婦人科に行くのは
人生で二度目の事だ。