ふくらはぎの女(ひと)【完】
(9)
家に帰ってからは、
再び押し入れ内の
整理を始めた。
やっぱりどうみても
しょうもない、
宝の山がそこにはあった。
残すものと処分するものを
私が分けて、
邦男には
ゴミの分別をしてもらう。
てきぱきと進む
事務的な作業。
「早くしないとな。
もう引越しまで何日もないし」
「うん。邦男の部屋はどう?
片付いてる?」
「まあまあ。俺んとこは
元々一人で住んでたんだし
荷物自体少ないから」
「そっか・・・そうね」