Special Cookie
「あ、うん」




「俺の彼女がさ、早瀬のお菓子食べてみたいって言ってるんだ」




「私の?」




「高木がいつもうまそうに食ってるの見てうらやましいらしいんだけどやっぱ話したことないし、直接言いづらいらしくてさ。あいつに作ってやってもらえるかな」




「うん。いいよ。明日作ってくるね」




「悪いな」




「じゃ栄くんに渡したらいいかな?」




「おう。じゃ明日の放課後に屋上でもらおうかな。教室なら誤解されると困るし」



「了解」




「栄くんってほんとに彼女のこと好きなんだね」





「え?いや、まあな。でもお前も高木といい感じだろ?」



「・・・そうかな。でも名前で呼んでもらえないけどね」





なんてぼそっと本音が出てしまった。
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