Special Cookie
それにケーキ屋さんなんて初めて来た。こんな風に売ってるんだ。




まじまじとケースの中のケーキを見ていると女の人が戻ってきた。




小さな袋に入ったクッキーを持って。






「お待たせいたしました」





「いくらですか?」





「お代はいいのよ。あなたのお母さんと私、お友達なのよ」





「そうなんですか?」




「そう。だから気にしなくていいのよ」





そっか。この綺麗な女の人がお母さんの友達なんだ。




だから融通や無理を聞いてくれたんだ。じゃあ教えてもらうのも大丈夫かもしれない。





私は勇気を振り絞って聞いてみることにした。
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