AKANE -もう一度、逢いたい-
これは明らかに明音ちゃんを陥れようとしたものだ。
ただどうしても1つだけ分からない。
どうして明音ちゃんを陥れようとするのか。
それだけが理解できなかった。
俺が悩んでいると陽平に呼び出された。
「蒼次!」
「なんだよ」
「いいから呼んで来いって
貴之が言ってんだよ!」
それは茜が倒れたという知らせだった。
俺は明音ちゃんのこともあったから伝えようと陽平と向かった。
到着すると、落ち着いた茜がいた。
どっちかって言うと元気というか、怒ってるっていうか。
まぁ、いつもと変わらない。
「だから、ほっといてよ」
「できない」
「貴之が心配性なだけでしょ」
「いいから、
今は安静にしてなよ」
こんな調子も相変わらずだ。
「あのさ、明音ちゃんが
探してたんだけど…」
「あっそ」
「あっそじゃなくて。
まぁ聞くだけ聞いてよ」
俺はさっき明音ちゃんから聞いたことを全て話した。
そしてピンチだということも。
「だから茜、助けてあげてよ」
「どうしてあたしが、そんなことしないといけないのか、さっぱりと分からない」
「茜は友だちなんだろ?」
貴之や陽平も説得しようとしてくれていた。