AKANE -もう一度、逢いたい-


友だちと一緒に仲良く登場する。


もちろん、その出場者もだが、友だちもかわいい子ばかり。


そして明音ちゃんの名前が呼ばれた。


「そして優勝候補の
如月 明音さんです!」


さらに大きな歓声が起こった。


しかし、なかなか彼女は出て来ない。


「…やっぱり
間に合わなかったか」

「そうかもな……え?」

「言ってなかったっけ?」

「何が?」

「蒼次が明音ちゃんのパートナーとして出るために女装したこと」

「は?」

「あいつバレて
出場出来なくなったのか?」


陽平は悶々と頭を抱えてまで考えていた。


「でも蒼次なら人気もあるし、
ノリで出してくれるだろ」


陽平は本気で考えているようだ。


「それとも俺の方が
人気あるし許してもらえたかな」


いや、そういうことじゃないだろ。

思わず言葉に出して突っ込みそうになった。


それにしてもあの蒼次がそこまでするなんて。

俺は考えられなかった。


そこに今まで以上にない歓声が再び沸き起こった。


俺たちもその舞台に視線を移す。


ウワァーーーー!!


人混みの中からちらっと目に映ったのは明音ちゃんだ。

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