AKANE -もう一度、逢いたい-
そして次の日。
学校では昨日のことで大騒ぎになっていた。
ミスコンの結果はやっぱり明音ちゃんが優勝した。
けれど、それどころじゃなかった。
それでも聞こえてくる話し声に耳を澄ました。
「昨日の可愛い女の子って
誰だったんだろうね?」
「それって、優勝した
明音ちゃんの友達って子?」
「そうそう」
「確かにこの学校の
生徒なんでしょ?」
「優勝した子も
可愛かったもんね~」
謎の美少女の話は噂だけが飛び交い続ける。
それと同時に俺の方へも視線があちこちから感じられていた。
しかし俺の頭の中は昨日の出来事ばかりがぐるぐると回っている。
「貴之!」
「え…?」
振り返ると深刻な顔をした蒼次が叫んでいた。
「おい、さっきから
ずっと呼んでいたんだぞ」
「…ごめん」
蒼次は辺りを見回してこっそりと言う。
「とりあえず、
話があるから来い」
「…あぁ」
ついて行くといつもの非常階段だった。