AKANE -もう一度、逢いたい-


最初の頃は、私と茜と裕人くんの3人で過ごすことが多かった。

その時はたわいもない話ばかりしていたよ。


けれど裕人くんは少しずつ私たちと距離を置くようになっていった。


でも今なら分かる。

中学生なら誰にでもある女子といるのはカッコ悪いって思ってしまう感じ。

ただの青年期というか、カッコつけたい時期というか。


私たち2人はいつも一緒にいて話もたくさんした。


けれど茜は小さく笑ってばかりだった。

可愛さがもったいないと思うほどに。



ある日。

彼女の頬に傷を作って来た時があった。

白いガーゼで隠してあったけれど痛そうだった。


私は茜を誰もいない空き教室に呼び出した。


そして嫌がる彼女のガーゼを少し無理矢理にはがす。


露わになったきれいな白い頬にある青々としたあざ。


そのあざを思い出すだけで痛々しい。


だから私は問い詰めた。


「これ…どうしたの?」


それでも彼女はうつむいたまま答えなかった。


だから私はもう一度問い詰め直したんだ。


「お願い、言ってよ!」

「………」

「こんなことになってるのに
知らないフリは出来ないよ!」


それでも話そうとする気配はない。

首を横に何度も振り続けていた。


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