AKANE -もう一度、逢いたい-


昔から仲の良かった茜は、みんなから質問攻めにされるようになった。


でも人と関わることが苦手だから、いつも困っているみたいだった。


その態度が女の子たちのイライラを募らせていく。


恥ずかしくて何も言えないだけなのに。


裕人くんと仲が良いから何も言いたくないんだ。

彼女気取りなんだって勘違いされていく。


こうして少しずつ彼女を憎む人たちが増えていった。


そして少しずつ妬みもあからさまになってきた。


「あの子、何様?」

「河﨑茜でしょ?」

「そうそう」

「あぁ、
裕人の幼なじみでしょ」

「そう思ってるの
裕人だけだって!!」

「だよね!」


アハハハハと高笑いが響き渡る。


「あの女は彼女だと
思ってるんじゃない?」

「信じられなーい」

「裕人くん、かわいそう」


噂が噂を呼び、大きく間違いを生んでいく。


でも茜は何も言い返さない。


気が弱い私も言えなくて、辛さは積っていくばかりだ。


茜も「言わないで」と私に忠告するのだった。


噂は徐々に悪口に変わる。

そして、ついにイジメが始まった。


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