AKANE -もう一度、逢いたい-
「来週の大会は
笹見坂高校とだから」
キャプテンの声が響き、一同もヤル気に包まれる。
対戦校は去年に敗戦した高校だ。
「貴之、頑張ろうな!」
「おう!!」
陽平とハイタッチを決めた。
そこにキャプテンが声を掛けてくる。
「そこに勝てば決勝だ」
うおおおお~と太い声があがる。
「対戦相手は
長滝西高校だと思う」
それでも負けないというように盛り上がっていた。
俺と蒼次はしっかりと目があった。
深刻な感じで。
長滝西高校は、あの多川裕人が率いるチームだ。
「よし、今日も
気合入れて練習だからな!」
「おう!!」
そしてみんなグラウンドに駆けて行った。
蒼次が肩をポンと叩いて行った。
さかのぼること、4日前。
詩織さんから茜の話を聞いた次の日。
俺は急いで裕人のところに向かっでいた。
「いきなりで悪い」
「急になんだよ」
2人の間には、最初から火花が飛び交っていた。