AKANE -もう一度、逢いたい-


それでも俺は中学の時にほったらかした裕人を許せなかった。


「だったら…!」

「中学の時は恥ずかしかった。
けれど、もう諦めない」

「………」

「失う辛さは
もう味わいたくない」


真剣な眼差しに俺も真剣になる。


「俺も茜が好きだ。
幼い頃からずっと!」


知っているというようだった。


それでも、負けないという気迫も感じていた。


「「勝負で決めよう」」


考えていることが全く一緒だったのだ。

男の決意として。


『今度の
秋季大会で戦おう』


『勝ち続けていれば、
どこかで巡り合うはずだ』


男の約束は交わされたのだった。



そして蒼次にだけは裕人と戦うことを知らせた。

理由も全てちゃんと話した。


ミスコンの日に明音ちゃんを助けた子は茜だということを。


そして裕人と茜の関係も。


だから俺は全力を賭けて戦うためにも蒼次の協力は必要だった。


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