AKANE -もう一度、逢いたい-
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貴之はちゃんとした状況や理由を話してくれた。
最初は俺も驚いた。
けれど自分自身全てがつながって腑に落ちた。
幼い頃からの親友として信じていて良かった。
「俺が愛しているのは、
茜だけだよ」
というその言葉を。
だから貴之を信じられたんだ。
あのあと笹見坂高校にはギリギリ勝利した。
そして予想通り次の対戦相手は長滝西高校に決まった。
俺たちが訪れていた会場でたまたま出くわした。
そして目が合うと裕人は貴之に近づいて行く。
そして宣戦布告して行った。
「お前には渡さない」
貴之の表情も険しく変わる。
横にいた俺も顔が険しくなった。
1人の女を賭けて、戦うことを決意したのだと。
俺は貴之の肩をポンと叩く。
「負けられないな」
「ああ」
「今から、練習だな」
サッカーはあくまでチームプレー。
俺はみんなに伝えるべきだって言った。
けれど貴之は横に首を振った。
「そのままの摂高サッカーが
一番良いプレーをするから」
貴之はそう言っていた。