AKANE -もう一度、逢いたい-



サッカーの対戦相手が決まると同時に、摂高新聞にも掲載された。


俺は貴之に、また見せに行った。


『三角関係、波乱!!』という見出し。


そう、以前に騒がれた三角関係問題のことでまた書かれていたのだ。


『今度、他校のHさんと我が校のTさんが戦うことが決まりました!』


あながち嘘ではない事実が書かれていた。


そして関係を焚き付けるように書いていた。


『女性関係にも決着は着くのでしょうか。見所です!』なんて書かれていた。


この記事も、また誰もが見ているのだろう。

俺は歯がゆくて仕方がなかった。


周囲から記事の内容は本当かと聞かれ続けていた。


しかし貴之は、そんなことはないと否定し続けていた。



そこに偶然、茜が通り過ぎた。

俺はこっそりと茜に話しかけた。


「茜」


振り向いた彼女は嫌そうで、一言だけ告げる。


「面倒くさいことに
巻き込まないで」


そんなこと言うなよ。

原因は全てお前じゃないか。


「面倒くさいってなんだよ」


俺は思わず言ってしまった。

めげない彼女は上目線で言う。


「そうね。
全部あたしが原因だもんね」


3人の関係は複雑だ。

でも、一番関係ある茜の態度にイラついた。

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