AKANE -もう一度、逢いたい-
少しの沈黙。
そして俺の頭の中で一瞬にして何かと何かが1つに繋がったんだ。
(…あかね!!)
追いかけようと走り出した。
そこまで遠くに行ってない!!
走れば追いつくはず!!
無我夢中に走った。
ドンッ!!!
渡り廊下の曲がり角。
今度は硬くも柔らかくもない何かとぶつかった。
それは、陽平だった。
「せめて女の子と
ぶつかりたかった。
すっげー最悪!!」
「貴之。お前に話があって…」
「どけ!!」
ただ無我夢中に2人を押しのけて追いかけようともがく。
「何、怒鳴ってんの?
俺らも大事な話があってさ…」
「そんなこと知るか!!!」
頭に血が昇るほど興奮していた。
それほど理性を失ってしまっていたんだ。
だって、あれは…!!!
そして2人に落ち着くようにと促されて引きとめられる。