AKANE -もう一度、逢いたい-
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明音に連れられたあたしたちは、やっと会場に着いた。
運動音痴のあたしにとって、ここまでの距離はキツかった。
そしてやっとグラウンドに着く。
息が切れていたのを少しでも整えようとする2人。
階段をのぼって、ゆっくりと顔を上げた。
グラウンドでは摂弥高校の選手が泣き叫んでいた。
「え?」
隣で息を整える明音が困惑していた。
あたしは、ゆっくりと顔をスコアボードに向けた。
そして納得してしまった。
「そっか…」
「え、どういうこと?」
明音は本当に分かっていないみたいだった。
「あのね…」
「明音!!」
2人同時に振り向く。
そこには確か奈緒という女がいた。
やっぱりキツく睨まれてしまった。
「遅い!遅すぎる!!」
「だって…」
「だってじゃない!
負けちゃったよ!!」
明音はその言葉にぼろぼろと涙をこぼした。
ぼろぼろとこぼれて、声にもならないみたいだった。
とてもキレイな涙だ。