AKANE -もう一度、逢いたい-
そんなことがあった次の日。
今の茜は心も体も落ち着いていた。
あの時は仕方なく約束をしてしまった。
あとあと後悔してしまった約束は、おぼろげに覚えている記憶だった。
「…はぁ」
重く深い、ため息がこぼれる。
なぜなら今度の日曜日。
その日は忘れもしない、あの日。
「その日って、確か…」
そう言って、はぐらかしてみるも分かっていた。
あの事件が起こったのは、あたしが一番心に痛い傷がついた日だから。
一応スケジュール帳を確認する。
「…やっぱりそうだよね」
スケジュール帳には忘れないようにちゃんと記されていた。
「どうして、
かぶってしまうのかな」
今度の日曜日は波乱が起こりそうだ。
「茜ちゃん!!」
あたしは振り返る。
そこにいたのは明音だった。
そして昨日のことを思い返していた。
『貴之くんを愛してる』
彼女ははっきりとあたしに言った。
今までは憧れだったけれど気持ちが変わった。
だから夏に言った約束を取り消すと。
本当は勝手にしたらいいと思っていた。
でも気持ちが少しざわついていたんだ。