AKANE -もう一度、逢いたい-


「明音ちゃん、何か用?」

「えっと、貴之くんを
呼んでほしくて…」

「…そ、そっか」


すぐに蒼次くんは貴之くんを呼んでくれた。


「あのね、朝言っていた
話だけど時間あるかな?」

「あ、あぁ」

「あの、
ここじゃあちょっと…」

「分かった」


そして貴之くんに着いて行こうとする。


「貴之!
早く戻って来いよー!!」


陽平くんが叫んでいた。

その後ろで蒼次くんが何か言いたそうな目をしていた。


悲しそうな、辛そうな目をしていた。


私としっかり目があった。


でも何も触れずに貴之くんに着いて行った。


私たちが着いたのは誰もいない屋上だった。

風が吹いていて少し肌寒い。


「話って?」

「これを言ったら貴之くんは
もっと困ってしまうと思う」

「え?」


何を言われるのは全く分かっていないみたいだ。


「でもね、
ちゃんと聞いて欲しいの」

「う、うん…」


あたしはゆっくりと息を吸う。

心がドキドキと早鐘を打つ。

体温が上昇してくるのを感じていた。


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