AKANE -もう一度、逢いたい-


もう一度チャンスがある。


ただそのことが嬉しすぎて、心が飛び跳ねた。


「良かった!」


嬉しそうに優しく微笑む明音。


私は手を振って、屋上を後にする。


その去り際に立ち止まって、もう一度、彼の方に振り返った。


夕日に染められた頬はより赤く染まっていた。

そして私は優しく微笑んで告げる。


「私はあなたを愛しています」


もう、嘘は言えない。

これが私の本当の気持ちです。


屋上を後にした私。


階段をゆっくりと降りて行くが、心も体も跳ねているのは分かり切っていた。


「その様子だと
上手くいったんだ」

「え!?」


驚いて声がした方を向いた。


そこにいたのは、腕を組んで立っている蒼次くんだった。


「蒼次くん」

「告白したんだ」

「…うん」


私は嬉しくて、堂々としていたくて、笑顔で認めるように笑った。


「私ね、もう辛そうな
貴之くん見ていられないよ」

「それだけで?」

「違うよ。私が支えたいと思ったの。このままじゃ貴之くんは潰れちゃうから」

「…そうかもな」

「一緒に前を見たいと
進みたいと思ったんだよ」


そう、いつまでも茜を追いかけなくていいように。

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