AKANE -もう一度、逢いたい-
その時、たまたま近くの本屋さんに入るとサッカー特集がされていた。
『次世代を担う
サッカープレーヤーたち!』
そこには裕人の名前と写真が大きく載っていた。
そして隣には『中野貴之』と大きく載っていた。
「見てー!!
中野くんが載ってるじゃん」
「本当だ!」
隣の2人組の女子高生はその特集前で騒いでいた。
そういえば、貴之はどうしているだろうと不意に思ったんだ。
久しぶりに会いに行こうかな。
でも覚えてなかったらショックだな。
「確か貴之くんって
隣町に住んでるんだよね?」
「そうなんだ。貴之くんって
好きな子とかいるのかな?」
「私聞いたことあるよ。
忘れられない女の子がいるって」
「だれだれ?」
「確か幼なじみらしいよ」
あたしはその言葉にドキッとした。
昔に約束したことがよみがえった。
「ねぇ名前は?」
「確か、あかねちゃんって
言うんだって!」
「いいなー、あんな彼氏!」
その女子高生たちはうらやましそうに話していた。
まさかだと思った。
そんなわけないっ何度も思った。