AKANE -もう一度、逢いたい-


その時、たまたま近くの本屋さんに入るとサッカー特集がされていた。


『次世代を担う
サッカープレーヤーたち!』


そこには裕人の名前と写真が大きく載っていた。


そして隣には『中野貴之』と大きく載っていた。


「見てー!!
中野くんが載ってるじゃん」

「本当だ!」


隣の2人組の女子高生はその特集前で騒いでいた。


そういえば、貴之はどうしているだろうと不意に思ったんだ。


久しぶりに会いに行こうかな。

でも覚えてなかったらショックだな。


「確か貴之くんって
隣町に住んでるんだよね?」

「そうなんだ。貴之くんって
好きな子とかいるのかな?」

「私聞いたことあるよ。
忘れられない女の子がいるって」

「だれだれ?」

「確か幼なじみらしいよ」


あたしはその言葉にドキッとした。


昔に約束したことがよみがえった。


「ねぇ名前は?」

「確か、あかねちゃんって
言うんだって!」

「いいなー、あんな彼氏!」


その女子高生たちはうらやましそうに話していた。


まさかだと思った。

そんなわけないっ何度も思った。


< 179 / 311 >

この作品をシェア

pagetop