AKANE -もう一度、逢いたい-
「でも
付き合ってないんだって!」
「じゃあ
貴之くんの片想いかぁ」
あたしは顔が熱くなった。
全身真っ赤になるぐらい熱かった。
そして何よりあたしのことを忘れてなかったことが嬉しかった。
そこに1人の女子高生が近づいてきた。
「それ、嘘だよ」
「え?」
「貴之くんの話。なんか、
はっきりと言ったらしいよ」
「なんて?」
「『あかねって誰』って」
彼女の言葉にあたしは絶句して、立っているのがやっとだった。
「なんだぁ。
やっぱり仮想の話かぁ」
「そうだよね~。幼なじみがってドラマじゃないんだからねー」
「うんうん!」
「やっぱ、ありえないよねー」
あたしは落胆した。
やっぱりそうだよね。
会いに行こうかな、なんて考えたあたしはバカだ。
あたしのことなんて、もう覚えていないに決まっているのにね。
結婚しようって約束したのも、幼くて遠い記憶の話。
そして、今のあたしは醜くて、ブスで、会う資格なんてないんだ。
それに学校でも、みんなに言われたじゃない。
『ブサイク』
『死ね』
『キモい』
日常茶飯事の言葉に毎日傷ついて、友だちも同じ目に遭わせて傷つけてばかりで。
あたしは汚くて醜い。