AKANE -もう一度、逢いたい-


そのあとは知ってるとおり彼女は変わった。


感情もなく表情も固く全てを内に秘めて貴之を恨むようになった。


何よりも一番自分を責めて、憎み続けた。


それから茜は独自で勉強をして、無事に卒業をした。


そして春になり、茜は醜い姿で摂弥高校に入学したんだ。


もちろん、成績は学年トップで。


「でも代表の挨拶もしていなかったし、いつも貼り出される成績表にも名前は載っていなくて…」

「あれは彼女自身が
校長に頼んだのよ」

「なんて?」

「『成績はトップで居続ける。その代わりにあたしを表に出さないで』とね」


話し終えた先生は悲しそうにしていた。


茜が変わってしまった原因は俺自身だった。


確かに俺はあの時期に嫌いだと心にもないことを言ってしまっていた。


それが明音の耳に届いてしまったのだ。


「今日はね、
その父親の命日なのよ」

「………」

「…そうでしょ?」


先生は意識を失っていた茜に優しく語りかけた。


すると茜はゆっくりと体を起こしながら言う。


「…勝手なこと言わないで」

「茜、大丈夫か?」


俺と裕人が近づくと2人の頬を思い切り叩いた。


2人とも頬をおさえた。


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