AKANE -もう一度、逢いたい-
「変わらないよ」
「そんなことっ…」
「いつも誰かのことばかり、優先して考えるような思いやりのある人だよ」
「もう…言わないで…。あたしは変わったの」
「………」
「だって変わらないと
…いけなかったのよ!!」
あたしは間違っていたの?
今のあたしはどうしたらいいの?
分からないよ。
ねぇ、助けてよ。
大きくなれば、それに合わせて変わらないといけなかった。
過去の自分は誰にも受け入れてくれなかった。
あたし自身を認めて欲しかったのに、認めてくれなかった。
だから何もかも変わったの。
性格も、見た目も。
醜くなって、自分を責めることで生きてきた。
でもそれは間違いだったの?
どうして貴之は変わらなくていいって言うの?
今のあたしはいけないの?
この2年間はすべて間違っていたの?
あたしはここに存在しないほうがいいの?
分からない…
分からないよ…。
「茜」
貴之は優しく名前を呼ぶ。