AKANE -もう一度、逢いたい-
「あたしなんかに何の用?」
「あぁ。
三日前の話を聞いたからさ」
「…そう」
何も言えなかった。
貴之は真実を話したんだろう。
だったら話も早い。
「裕人に付き合えないって
この前に言ってきた」
「マジで!?」
「あんたに嘘ついても、
どうしようもないでしょ」
あたしはため息をつく。
だって、この男には嘘がバレてしまうのだ。
昔はただの泣き虫だったくせに。
今は本当にタチが悪い男だ。
「じゃあ、
貴之と付き合って…」
「大きな声で言わないで!
そんなつもりもない!!」
「じゃあ、茜は
これからどうするんだ?」
そう、今は何がしたいのか分からない。
貴之やいろんな人への復讐心も特にない。
特に嫌いということもなくなった。
「自立するつもり」
「…はぁ?」
そんなびっくりしたのか聞き返すほどだ。
あたしは恥ずかしくなった。
「そんなことより、話ってそれだけ?だったらあたし帰るけど!!」
「俺、明音ちゃんに告白した」
絶句のあまり、目で訴えてしまった。