AKANE -もう一度、逢いたい-
「マジ?」
「マジマジ」
蒼次ははっきりと言う。
しかし、明音は貴之に思いを寄せている。
陽平は、明音に思いを寄せているのだ。
「ちなみに陽平や貴之には…
まだ言ってないんだ」
「なんであたしなんかに
最初に言ったのよ」
「だってお前はこの前のデートをめちゃくちゃにしてくれたから」
あたしは何も反論できなかった。
その通りだったから。
この前の貴之と明音のデートをめちゃくちゃにしたのはあたしだ。
いろいろと忙しくてすっかり忘れていた。
(あとで明音に謝らないと)
そう思ってしまうほどに。
「ま、そういうことだからさ」
蒼次はすっきりした顔をしていた。
そしてあたしから離れていく。
あたしは叫んだ。
「いろいろと覚悟しときなよ」
「茜もな!」
蒼次はあたしに対して忠告してきた。
あたしがこれ以上にも覚悟しないといけないことは特にないと思うけれど。
心中そう思ったけれど、声には出さなかった。