AKANE -もう一度、逢いたい-
・もう止められない気持ち
***
そして、ついに12月に突入した。
俺たちの距離は確実に縮んでいた。
けれど、別れの足跡も確実に近づいていたんだ。
俺たちは自分にいっぱいいっぱいで、まだ何が大切なのか分からなかったんだ。
***
「貴之!蒼次!!」
登校すると、すぐに陽平は俺たちに駆け寄ってきた。
そして楽しそうに提案した。
「みんなで
クリスマスパーティーしよう!」
「「はぁ!?!?」」
俺と蒼次は突然のことで声を合わせて驚いた。
それが今回のきっかけだった。
なんとなく陽平に説得された俺たち。
駄々をこねた陽平の勝利だったのは言うまでもなかった。
そして俺たち3人は茜の教室に来ていた。
提案したきっかけは花火大会のパート2をしたいからだと言う。
しかし俺はそれだけじゃないと思う。
明音ちゃんと過ごしたいってこともあるだろう。
でも、それだけじゃない。
なぜならそれは、この前、蒼次が俺たちに言ったことが発端だった。