AKANE -もう一度、逢いたい-
「………!!」
さっきまで申し訳なさそうだった瞳が驚きに揺れた。
さっきまで蒼次に向けられた表情が陽平に向けられていた。
「俺、好きだ」
クラスの中心で愛を告げる。
揺るがない決意だった
「…そんなこと言わないで」
明音ちゃんは陽平の方を向いたまま言った。
そしてその場を立ち去ってしまった。
まさかの展開。
その場にいた陽平のファンの子たちは卒倒している。
しかし明音ちゃんの言葉は明らかに蒼次と陽平に向けられた言葉だった。
俺は茜と思わず目が合う。
茜が口パクで『バカ』言ったのがよく分かった。
俺も溜息しか出なかった。
同時に明音ちゃんの好意を向けられていた俺は罪悪感を感じてしまうのだった。
***
クリスマス会はなくなったと確信していたあたし。
しかし、この状況はどういうことだろうか。
茜は思わず、大きなため息をついて男3人をながめるしかなかった。
「カンパーイ!!」
「「カンパーーーイ!!」」
ついに訪れたクリスマス当日。
めずらしく悪い予感を感じなかったから安心していた。