AKANE -もう一度、逢いたい-
プルルルル、
プルルルルルル…
「もしもし」
あたしはダルそうな声で出た。
『もしもし俺だけど…』
「蒼次か。
切ってもいい?」
あたしはあんな奴の相手をしている暇はなく、すぐにでも切ろうとした。
けれど蒼次の次の一言で切ることが出来なかったんだ。
『もしかして頭痛いだろ』
「なんで
そんなこと分かるのよ」
『やっぱりな』
蒼次の嫌味な微笑みが頭に浮かんだ。
『昨日はいろいろと
あったからなぁ』
誘ってくるように言うアイツ。
のってはいけないと分かっているけれど、気になっているのも確かだ。
『昨日のこと
気になってるんだろ?』
「うッ…」
『はっきりと
言っちゃえばいいのに』
「…なんて言えば…」
『そこは教えて下さい、
蒼次様だろ!』
その瞬間、バカだと思った。
3人の中だったら一番しっかりしてそうなのに。
やっぱりバカな奴だった。