AKANE -もう一度、逢いたい-
私はいつまでも泣き続ける。
枯れてもいいと思えるほど泣き続けた。
茜は何も言わなかった。
ただ横で何もしない。
けれど近くも遠くも無い距離でいてくれていた。
かすかな体温を感じ、心は熱さを感じていた。
そして少し落ち着いた頃。
茜が衝撃の一言を私に投げかけた。
「…明音ってさ、
蒼次のこと好きでしょ」
頭が真っ白になった。
ただでさえ気持ちだけ進んで、頭が追い付かない状態の私。
わけが分からないのに、もっと分からなくなる。
「……はい?」
「だって、ずっと
蒼次のことで悩んでる」
茜は確信を突くようなことを言う。
でも言われた通りだ。
貴之くんのことで傷ついていた私。
いつしか私の頭の中で貴之くんのことは終わったことになってしまっていた。
そして次の悩みは蒼次くんのことだった。
そして今の悩みも蒼次くんなのだ。
「…どうしてだろう」
思わず心の声がこぼれる。