AKANE -もう一度、逢いたい-
「茜、あのさ…」
「…その試合っていつ?」
茜は下を向いたまま、俺に訪ねてくる。
「今週末だけど…」
「……そ、そっか」
「……う、うん」
いつもと様子の違う茜。
そんな茜に俺もつられて戸惑ってしまった。
「あ、あのさ…」
「う、うん…」
するとチャイムが学校全体に鳴り響いた。
しかし俺たちはその場から動けなかった。
すると茜は恥ずかしそうに俺に一枚の紙切れを手渡す。
そして逃げるように走り去ってしまった。
すぐに追いつくけれど、驚くあまりに動けなかった。
そしてゆっくりと渡された一枚の紙切れを開いた。
そこにはキレイな文字で書かれた手紙だった。
『放課後、花火の日に待ち合わせ予定だった神社で待ってます』
ドクンと心臓が跳ねた。
そして俺も心を決めた。
もう一度、茜に気持ちをぶつけよう。
茜のことがやっぱり好きだから。