AKANE -もう一度、逢いたい-


「そっか…」

「気が付けば目の前が真っ赤に染まって、貴之が倒れて…」

「辛かったね」

「辛くないよ。
あたしが全部悪いから」


茜は自分が悪いと責めていた。


せっかく心を開き始めていた茜。


また心を閉ざしてしまうんじゃないか。


自分のことをまた憎んでしまうんじゃないか。


そんな気がしてならない。


「茜、もしかして
死にたいとか考えてないよね」


おそるおそる聞いてみると、茜は泣きそうに微笑んでいた。


「絶対に
死んじゃダメだから!」

「…いっそうのこと、あたしの命を奪ってくれたらいいのにね」


茜は言うんだ。


貴之の代わりにあたしの命を奪って欲しいと。


茜はまたマイナスに考えていた。


せっかく前向きになり始めていたのに。


貴之くんが茜の心を溶かしてくれていた。


でも貴之くんによってまた凍りそうになっていた。


「…そんなこと
言わないでよ…」

「だって、
あたしが疫病神だから…」


貴之くん、助けてよ。


茜、こんなこと言ってるよ。


私じゃ助けられないよ。

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