AKANE -もう一度、逢いたい-


俺たちの横で女の子たちの話しが聞こえてくる。


それはまた貴之に関することだった。


「貴之くんも最悪だよね」

「そうそう。あんな
醜い女に殺されるなんて」

「せっかく目をかけてもらってたのに殺すとか最悪」


言いたい放題の彼女たち。


「あんな奴、
捕まればいいのに」

「サッカー部も大変だよねー」

「だってエースいないから、この前の試合も負けたんでしょ」


俺はその一言にキレたかったけれど、隣で明音ちゃんが腕を掴んでくれていた。


気持ちはわかるけど抑えてって言うように。


「貴之くんも次世代のエースとか言われてたのに残念だよね」

「もうサッカーも
出来ないって聞いたよ」

「マジで!?」

「あーあ。次の
日本代表だと思ったのに」

「なんか日本代表の監督も
残念がってたらしいよ」

「貴之くん、かわいそう…」

「むしろお前が
死ねって感じじゃん!」


けらけら笑う女の子たち。


横では冷静な明音ちゃんも言いたいことをこらえているようだった。


「…勝手なこと
言わないでよ!!」


俺に聞こえるぐらいの距離で明音ちゃんはボソリとつぶやいていた。


俺もやっぱり悔しかった。

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