AKANE -もう一度、逢いたい-
そこへチャイムが鳴った。
ピンポーン
「…はい」
あたしは重い体を起こしてドアを開けた。
ガチャ
その瞬間だった。
何かを投げつけられた。
ビチャと音がしてヌルヌルしていた。
あたしに何個かヌルヌルしたものぶつける。
すると投げた人達は一目散に逃げ去った。
あたしはその後ろ姿を見つめた。
それは摂高の制服を着た女子たちだった。
「…そっか」
勘のいいあたしは察してしまった。
なぜ投げつけられたのかを悟ってしまった。
そしてそのヌルヌルしたものを触る。
明らかにこれは生卵だろう。
そしてドアには『人殺し』の紙が何枚も貼られていた。
「…典型的すぎだって」
あたしはドアを開けたまま、その場に座り込んだ。
チラチラと舞う雪が顔に触れた。
「冷たいなぁ」
でもその感覚があたしが生きていることを悟らせた。