AKANE -もう一度、逢いたい-


「…もうこれ以上、
迷惑はかけられない」


あたしは振り返り、3人に告げる。


それがあたしが出来ることだと思ったから。


「え?」


「もう迷惑をかけられない」


あたしは知らずに涙が流れてきた。


何が辛いのか分からない。


けれど、もう迷惑をかけられないと思ったんだ。


みんなあたしのことを思ってくれる。


今なら素直に喜ぶことが出来るよ。


けどそれは彼らを苦しめてしまうから。


「どうせ、あたしのことで
いろいろと大変でしょ」

「………」

「そんなこと言うな!」


涙を拭うと怒った顔をした蒼次がいた。


「勝手なこと言って、自分から離れさせようとするのはもうやめろよ」

「そんなこと…ない」

「嘘つくな」


蒼次の真剣な眼差しに嘘は言えなかった。


「……ごめん」


もうあたしのせいで犠牲を出したくなかった。


あたしと離れることで、被害を減らしたかったんだ。


「貴之はそんなこと
望んでないと思うぞ」


本当にそうだろうか。

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