AKANE -もう一度、逢いたい-
「貴之は俺に、俺達に茜を支えて欲しいと思ってると思う」
「でも、それは
迷惑かけるだけだから…」
「そんなことない。お前が俺たちのことも支えてくれるんだろ?」
まるで当たり前だと言うように言う。
「だから俺はお前の味方だ。
だからこうやって来てるんだろ」
いつもあたしの心配をしてくれた明音。
最初からウザくて仕方なかったのに、いつも傍にいてくれた。
陽平って奴も嫌いじゃない。
場を盛り上げるのは天下一品だと思う。
蒼次はきっとあたしのこと嫌いだと思ってた。
泣き虫だった奴が生意気になってて、ムカついた。
でも助言をくれたのも蒼次だった。
3人の顔を眺める。
「一緒だよ」
明音は嬉しそうに言った。
「……うん」
「もう少し
俺たちに甘えろよ」
そう言って陽平は頭をポンとしてくれた。
いつもなら「ウザい」って言えるのに。
どうしても言えなかった。
「お前の優しさは
分かりにくすぎるんだ」
そう言って笑っていた。
あたしを大事にしてくれる。
涙が出るほどうれしかった。
「ありがとう」
だから、この言葉をみんなに伝えたかった。