AKANE -もう一度、逢いたい-
君は衰弱していた。
俺を殺してしまったと君は思うかもしれない。
自分は誰かを不幸にすると、また自分を憎んでしまうかもしれない。
その不安が俺の心を乱していった。
こんな今の俺がちっぽけに思えた。
どうして俺はここにいるのだろう。
何の使命があって、生まれてきたのだろう。
「……どうして」
問いかけても、誰の返答はない。
ただの言葉は響きわたって、消えていった。
まるで今の俺をあらわすように。
何のために生まれ、人生を歩くのか。
自分の道はどこにつながっているのか。
どうして人というものが存在するのか。
世の中は疑問ばかりだ。
「……何をするために、
生まれたんだ…?」
何をするために…。
俺は大事な人を救えなかった。
だから今も君を悲しませている。
危ない目にも遭わせてしまった。
だから、この道を、死に繋がる道を歩く。
それが、もしかしたら君をもう一度救えるかもしれないから。
逢える幸せよりも、今は君の幸せが大事だから。
そう思って、俺は一歩ずつ死へ繋がる道を歩いて行く。