AKANE -もう一度、逢いたい-
お父さんが守ってくれた。
貴之が守ってくれた。
あたしは2人分必死に生きなくちゃならない。
無駄な人生を送っちゃいけないんだ。
「今でも貴之は
生死の境をさまよっています」
「………」
「原因は全てあたしです」
「………」
「嫌われることも
憎まれることも本当は怖い」
「………」
「けれど嫌われたり、
憎まれても仕方がないと思う」
「………」
「でもね、
あたしには愛があった」
貴之、空の上で聞いててくれていますか?
「貴之のことを愛しています」
上を見上げる。
あたしの想いを聞いて下さい。
「例え、もう逢えなくても、
一生あなたを愛してるから」
ずっと、ずっと…。
そしてゆっくりと全校生徒ともう一度、向き合った。
「彼があたしを待ってくれたように、今度はあたしが待つことにします」
これは宣言だった。
自分に向けての宣言だった。