AKANE -もう一度、逢いたい-


するとそこに蒼次があたしを呼んでくれた。


向こうから叫んでいたから分かった。


明音と陽平もなぜか着いてくる。


本当はいろいろと言いたかったけど無視した。


蒼次と一緒にいたのはキャプテンと副キャプテンだった。


あたしは頭を下げた。


すると2人は驚いているようだった。


「…ごめんなさい」

「…どうして?」

「…貴之がサッカー出来なくさせてしまったのは、あたしだから」

「でもそれは違うよ」


副キャプテンが優しく言ってくれる。


「でも事故に
遭わせたのはあたしです!」

「………」

「チームに必要だったのに、事故に遭わせっちゃったから負けて…!」

「そんなことはない!」


あたしの言葉を遮るように言ったのはキャプテンだった。


大きな声ではっきりと告げるのだった。


「でも…!」

「そんなことはない!!」


キャプテンは大きな声でまた言う。


大きく響く声だった。


「俺も、そう思うよ」


隣で優しくほほえんでいる副キャプテン。


本当にそれでいいのだろうかと思ってしまった。

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