AKANE -もう一度、逢いたい-
「おはよ~」
「おぉ。つーか、
どうしてお前らまでいるんだ?」
「お前らの面白観察日記でも
つけようかと思ってさ」
そんなこと言ってふざけてくる陽平。
「じゃあ、蒼次も…」
「俺はちゃんと
勉強しに来てんだ!」
「そ、そっか」
「でも、お前はとにかく頑張れ。
メアドも知らないんだろ?」
「マジかよ!?ありえねぇよ」
「そのつもりだって!!」
「そこうるさい!」
小さな声で話していたはずの声はどんどん大きくなっていた。
先生が教室に来た事すら気付かないほどだった。
「授業始めるぞ~!!」
講習1日目からキレ気味の男性の先生。
まぁ、無理もない。
先生は俺たちを嫌っているのだから。
1時間目を終えた後の休み時間。
俺はすぐに茜のもとに急いで向かった。
「茜。おい、茜~!」
「馴れ馴れしく呼ばないで」
「だから俺たちは…」
「前から言ってるでしょ。
幼なじみでもないし、
知り合いでもないから」
相変わらず冷たい。