AKANE -もう一度、逢いたい-
・文化祭準備は慌ただしい
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まだまだ残暑の厳しい9月。
新学期の始まりだ。
俺はあれから部活や全日本の方に呼ばれていたから茜に逢う暇なんてなかった。
でも今日から毎日逢える。
それだけで俺は力がみなぎってくる。
あとは、あの時に約束をしたように茜が試合を観に来てくれたら百人力だ。
まだまだ夏の暑さが続く中、校長の長い話で始業式も終わる。
それぞれのクラスに着くと、夏休みの宿題や通知表を提出する。
陽平はやっぱり終わらせていない宿題をこっそりと写していた。
そして、この時期になると、楽しいイベントがある。
それが文化祭だ。
文化祭委員が前に立つと、みんなに何がしたいかの話し合いが始まった。
「メイド喫茶とかしようぜ」
まだ宿題を写し終えていない陽平がいきいきしながら提案をする。
「それだったら、
執事カフェの方がいいよね~」
女子達は一斉に、「それがいい!」なんて言って盛り上がっていた。
「それじゃ女子の
メイド姿が見れないじゃん!」
男子たちも負けじと猛反撃をし始める。
今のところ、いい勝負だった。
俺は正直、普通の喫茶店とか屋台とかでいいんじゃないだろうかと思っていた。
けれど言えそうにない雰囲気だった。
「メイド!」
「執事!」
「メイド!メイド!」
「執事!執事!」
「メイドが見たい!!!」
「執事が見たい!!!」
この調子では、まだまだ決まりそうにない。