AKANE -もう一度、逢いたい-
「執事カフェの方が
いいんじゃないかな?」
盛り上がる中、口をはさんだのは、さっきまで俺と同じように傍観していた蒼次だった。
「やっぱり
蒼次くんもそう思うよね?」
「俺らを裏切るのかよ。
俺達は女子のメイド姿が見たい」
男の夢と言うように熱弁までする。
そこに蒼次がすんなりと言うのだった。
「確か隣のクラスが
メイド喫茶をするって言ってた」
「マジかよ!?」
「それに執事カフェにしたら、いろんな女子が来てくれるんじゃない?例えば白鳥女子とか」
「白鳥女子!!」
急に目の色を変えてテンションを上がるクラスの男子たち。
説明しよう。
白鳥女子高校とは美人が多いで有名の女子高である。
「男子ってなんか最悪。このまま決まるなら別にいいけど…」
そのまま、全員一致で執事カフェに決定したのだった。
「じゃあ執事のことだけど、
誰がしてくれる?」
次々と手が挙がっていく。
陽平も大きく手を挙げていた。
「貴之もするよな?」
「俺?」
「貴之くんがしなかったら
お客さん集まらないよ~」
「そうだよ!」
俺の反論は出来ないまま決まってしまった。
という訳で高2の文化祭は執事カフェに決定した。