AKANE －もう一度、逢いたい－

「別に笑わなくても…」

「女たちはこれのどこがいいのか、さっぱり分からない」

「俺だって全く分からないよ」


これは一時の夢なのか、普通に話せているなんて。


「そういえば、そっちのクラスの出し物はどうなってる？」

「……最悪」

「なんで？」

「とりあえず、最悪」

「えっと…」

「いいから聞かないで」


さっきまでとは全く違い急に不機嫌な顔に戻っていく。

これ以上、この話を聞いたらもっと不機嫌になるって分かっていたから話を変えた。


「そっか。あ、明音ちゃん、
ミスコンに選ばれたって？」

「…らしいね」

「茜も出れると
思ってたんだけどなぁ」

「…何それ、嫌味？
それとも褒める練習か何か？」

「本当にそう思ったんだって」

「…あっそ」


「茜は信じてないと思うけど、
本当に茜はかわいいよ」


言ったすぐに俺の体は熱が上がった。


「………」


何も答えない茜は後ろを向いたまま、こっちを見ようともしなかった。

沈黙が流れてしまっていた。