AKANE -もう一度、逢いたい-
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仕方なく明音のところに、嫌そうに顔を出した。
「うるさい」
「茜ちゃん遅いよ~。クラスのことも手伝ってもらいたいんだから」
大げさにあたしの首元に抱きついてくるのは暑苦しい。
「…帰りたいんだけど」
「絶対にダメ!デザインの
相談で呼ばれてるから!」
ちなみに推薦したのは他でもない明音だ。
「…面倒くさい」
「そんなこと言わないでよ」
「だって…」
「まだクラスのこととミスコンの委員会と他にもいっぱい仕事はあるんだから!」
無邪気に全く悪気なく言う明音。
去年は文化祭自体を欠席していたあたしはこんなことになるなんて思いもよらなかった。
「ミスコンって
文化祭の2日目?」
「そうだよ~」
「…あっそ」
「どんな格好がいいのか
さっぱり分からないんだよね」
「…なんでもいいんじゃない?」
「もっと真剣に
考えてくれてもいいでしょ!」
プクリとかわいく頬を膨らませている。
あんたみたいな奴は何を着ても優勝するに決まってる。
「それより、
ちゃんと気を付けてなよ」
「もう、意味分からないよ」
「あっそ」
あたしはそれだけ言い残して、クラスの手伝いの方に向かった。
あと1週間、何も起こらなければいいけれど。