AKANE -もう一度、逢いたい-


***


2日目も晴れ模様。

降水確率は10パーセントで洗濯日和らしい。


今日はミスコンの準備であたしは朝から目まぐるしく忙しい。


出場者よりも裏方の方がどれだけ忙しいのか分からない。

だけど、この前のことが紛れて少し助かっていた。


「茜ちゃん。
メイク崩れてない?」

「…大丈夫だって」

「ちゃんと
こっち向いて言ってよぅ」

「はいはい」


出場者は朝から鏡の前に座って、入念にキメていく。


他の出場者もメイクやら衣装合わせなどで忙しそうだった

誰もが全く抜け目がない様子だった。


ここ控室の雰囲気はものすごく悪い。


周りは今日の敵でもあるからだろう。

ただ1人、明音をのぞいて。


ピリピリとした雰囲気の中でもいつもと変わらず、ふんわりとしていた。


「あ!茜ちゃん!
お願いがあるんだけど…」


急に声をあげたかと思うと、すごく申し訳なさそうな顔をしていた。


これほど嫌な予感がするものはなかった。


「あのね…」


そう言って差し出されたのは雪女の衣装だった。

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