AKANE -もう一度、逢いたい-
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2日目も晴れ模様。
降水確率は10パーセントで洗濯日和らしい。
今日はミスコンの準備であたしは朝から目まぐるしく忙しい。
出場者よりも裏方の方がどれだけ忙しいのか分からない。
だけど、この前のことが紛れて少し助かっていた。
「茜ちゃん。
メイク崩れてない?」
「…大丈夫だって」
「ちゃんと
こっち向いて言ってよぅ」
「はいはい」
出場者は朝から鏡の前に座って、入念にキメていく。
他の出場者もメイクやら衣装合わせなどで忙しそうだった
誰もが全く抜け目がない様子だった。
ここ控室の雰囲気はものすごく悪い。
周りは今日の敵でもあるからだろう。
ただ1人、明音をのぞいて。
ピリピリとした雰囲気の中でもいつもと変わらず、ふんわりとしていた。
「あ!茜ちゃん!
お願いがあるんだけど…」
急に声をあげたかと思うと、すごく申し訳なさそうな顔をしていた。
これほど嫌な予感がするものはなかった。
「あのね…」
そう言って差し出されたのは雪女の衣装だった。