AKANE -もう一度、逢いたい-
「何これ」
「その、お化け屋敷で
使う衣装なんだけど…」
「それぐらい見たら分かる。
バカにしてるでしょ」
「そんなことは…!!」
「早く本題を言ってよ」
「実は昨日クラスに返すの
忘れてたんだよね」
それだけで何もかも察してしまった。
「嫌だから」
「まだ何も言ってないよ!」
「どうせ持って行ってとか
言うつもりでしょ」
「どうして分かったの?」
「それしか有り得ない」
「だってクラスには
これ必要だし…」
「じゃあ自分で
持っていけばいいじゃない」
「出場者は今ここから
出ること出来ないもん!」
「相変わらず、最悪だね」
「ごめんなさい~」
「これも一種の才能だよ」
あたしは呆れて仕方なくその場を後にして、代わりに雪女の衣装を持って行った。
あたしが雪女の衣装をクラスに届けた後の帰り道だった。
「ねぇ」
あたしは誰かに呼び止められた。
忙しいときにお客の質問か何かだろうか。
とりあえず振り返る。
適当に答えて、さっさとどこかに行こうと思ったから。
でも、そこにいたのは3人の女の子たちだった。